これって、犯罪小説?

まだ1/3も読んだか読まないかくらいだが、何だか不思議な小説だとは感じる。 エーネ・リール 『樹脂』 (早川ポケット・ミステリ・ブック) のことだ。 「これって、犯罪小説?」 という疑問が湧かないでもないが、殺人が出てはくる。 とにかく Glass Key と…

難癖

バーナード・マラマッドという米国の作家がいた。日本でも名前が知れている作家だろう。 そのマラマッドの生前の最後の作品らしいが、その翻訳を借りてきて読もうとして、書き出しの部分を読んだところで引っ掛かるものを覚えてしまった。 こういう文である:…

酒々井

私はもともと別にブログを書いていて、読書関連の投稿もその中に書いていたのだが、それだけを独立させても面白いのではないかと思ってこちらのブログを始めた。 ところが、あちらで本からの引用を含むものを書くと、それも読書関連であるように思えなくもな…

棄捐令と札差と損料屋と

最近読んだ本 山本一力 『赤絵の桜』 時代小説である。 図書館に行くと山本一力の本がズラリと並んでいる。それだけ人気があるということか。 棄捐令というのは、むか~し日本史の授業に出てきたような気がする。 借金を帳消しにするというのだから、無茶苦…

ダレル兄妹

英国の文学史の上で、後世に名を遺した3姉妹といえば、ブロンテ姉妹だろう。 すなわちシャーロット、エミリー、アンの3姉妹。 だけど、姉弟は3人だけではなく、6人いたそうだ。 そんなことを思い出したのは、宮脇孝雄の 『洋書ラビリンスへようこそ』 (…

スプーン曲げと翻訳家

市の図書館がまた開館するようになったので、数日前に出かけてみた。 時間の都合で、ゆっくりと出来なかったので、何でもいいから適当に方式で借りてきた。 宮脇孝雄 『洋書ラビリンスへようこそ』 (アルク、2020) は、欧米の原書をいくつか紹介した本だ。…

隠れた像

ふと思いついたのだが、漱石の 『夢十夜』 に 「運慶」 というのがあったように記憶する。 木から仏像を彫り出すのだが、それは彫っているのではなくて、その仏像がその木の中に隠れていて、それを取り出すのだ、ということではなかったろうか。 そのことを…

耳で読む

こんなタイトルをつけると、高級なことを書こうとするかのようだが、そんなんじゃない。 つい今まで NHK-FM の FMシアター を聞いてた。 引き込まれたよ。ラジオ・ドラマのいいやつは、いいな。 声優さんというのはうまいもんだなと思う。 活字を読むのとは…

配送料金

Amazon である本を検索したら、中古商品で¥140 で入手できると分かった。 しかし、配送料¥350 とある。 商品の値段よりも配送料の方が高いのだ。 う~む ・・・

漱石の語り

ふと、思いついたことである。 漱石の 「語り」 について。 漱石という作家は、「語り」 の作家であるような気がする。 『吾輩は猫である』 なんてのは典型かもしれないが、どこまででも話が続けられそう。 しかし、ふと思いついたというのは、『坊ちゃん』 …

アガサの夫

これはダイナー・クレイクという英国の女流作家・詩人の小説のタイトル。 Gutenberg のリストを眺めていたら見つけたのだが、一瞬、アガサ・クリスティーの夫のことかと思ってしまった。 クレイクは 1826 - 1887 に生きた人だから、そんなはずはないんだけれ…

リチャードソン

メモ ちょいと Gutenberg の recent を開いてながめていたら、Dorothy Richardson の Trap という作品が出ていた。 Pilgrimage Volume 8 とある。すると Pilgrimage という作品の第8巻 (第8部) ということになる。 Trap という題名から、推理小説みたいな…

最近の読書

前々回 (2週間くらい前) に書いたかと思うが、現在、市の図書館からの貸し出しを受けていない。 もう、平常の開館状況に戻っているのかもしれないが。 で、とにかく手持ちの、積読状態にあった本を少し片づけようかなと試みてはいる。 前に書いた時から後…

寄贈書図書館

ふと、思いついたこと。 私は図書館で借りて読むようにもなったが、やはり手元にあるとありがたい。 何年、何十年前に読んだものを取り出して再読することができる。 それらを古本として売り払えば、ただ同然の値段で引き取られたりするわけで、釈然としない…

OK書店

前の投稿は削除しようと思ったが、今日2件のアクセスが記録されているから、仕方がない、そのままにしておこう (他のところを見られたのかもしれないが、こちらでは分からない)。 今日は、もっとつまらないことを書く。 私には、高級な "読書ブログ" みた…

読みの速さ

読み通すのに、ほぼ1週間かかった。 ヨルン・リーエル・ホルスト 『猟犬』 (早川書房 [ポケット ミステリ]) である。 これでも、かなり無理して読んだといえる。 私の 「読書」 は、夜、寝床の中で行われるので、日中はあまり読まない。 図書館に返却せね…

不満

最近の読書のメモ。 2冊通読した。 ・ メアリ・ノリス 『カンマの女王 「ニューヨーカー」校正係のここだけの話』 (柏書房、2021) ・ 毛内拡 『脳を司る「脳」 最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき』 (講談社 ブルーバックス、2020) 正直なとこ…

トロトロ読み

ウンベルト・エーコの 『薔薇の名前』 を再読したのは、私の読了書リストを見ると、2015年の3月のこと。 マイケル・ドズワース・クック 『図書室の怪 四編の怪奇な物語』 (山田順子・訳: 創元推理文庫、2020) を読んでいた時に、あの作品を思い出した。 エ…

美女の名

南條竹則 『美人料理』 (中央公論新社、2008) を数日前に読み終えたのだが、通読するのがやっと。 中国料理に関する蘊蓄の方は、ほとんど頭に入らなかった。 ただ、西施、楊貴妃、梅妃といった美女の名前だけは記憶に残った。 楊貴妃はさすがに私でも知っ…

見た 飲んだ 釣った

今朝がた、開高健 『夜と陽炎 (耳の物語2)』 を読み終えた。 年譜を見ると、奇しくも12月30日は開高健の誕生日だった (出生は1930年)。 心中に悲しみを携えて疾走して生き、見て、書き、飲みした人のような気がする。 享年58歳は早すぎるが、苦しみなが…

「やたけたに」

先日は開高健の自伝作品 (『夜と陽炎』) の中で見かけた 「かいなでに」 という言葉を取り上げたが、また 「ん?」 と思う言葉に出会ったのでメモしておく。 ふらふらとそう思いきめてみると、いつごろから身についた衝迫か、先天性とも後天性ともつかず、…

「かいなでに」

日が空いてしまったので、そろそろ何か書いておかねばならんかなぁと思うが、取り立てて書くべきこともなし。 読み終えた本が1冊ある。下の本だ。 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」 (ブルーバックス) 作者:吉…

読了メモ

前回アップしてから、またも時間が空いてしまった。 図書館から貸し出しを受けた 佐藤満彦 『ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿』 (講談社学術文庫、2020) だけは大急ぎで目を通したものの、もう1冊は全く読めずじまいで返却する羽目になった。 今回…

最近のこと

またまたアップが止ってしまった。 きちんとしたものを書こうという意識が働くためかもしれない。 こうなったら開き直りで、メモのようなものでも書いていくかな。 それにしても ・・・ こんな内容でしかなくて、こんな書き方のものなのに、少ないながらもア…

つげ義春の日記

まだ、つげ義春の 『つげ義春日記』(講談社文芸文庫、2020) を読んでいる。 日記なのだから、さっさと読めそうでいて、なかなかだ。 まさか2週間近くかかっても読み終えられないとは想定外であった。 今日明日で、何とか通読を終わらせるつもり。 だって、…

つげ義春の本を借りた

ぎゃっ! 今日のアクセスが5つもある。 ほんとにタマ〜にしか書かない上に、最近はとんとご無沙汰であったにもかかわらず。 何だか申し訳ないような気持ちになってきた。 とはいっても、ここを読書専用のブログにしている以上は、何か読まなければ書きよう…

幸田文さん

Google のバナーというのかアイコンというのか、検索窓の上に絵が表示されることがある。 9月1日のそれは女の人で、周りに書物が積まれていて ・・・ 樋口一葉かとも思ったが、どうも違う。 幸田文さんは、日本人の中でも稀有な存在だったというイメージが…

鳥の名

ずいぶんと久しぶりだ。 たまには書かねばなるまい。 とはいえ、この暑さに加えて例のコロナ。 頭がまともに働いてくれない。 村井弦斎の 『食道楽』 は、まだ読み終えることができていない。 通読するだけで当初の目標は達成するのに、それだけのことに手間…

最近の読書

前に書いてから、また間があいてしまった。 何度も書こう書こうと思いつつ、つい延び延びにしてしまった。 村井弦斎の 『食道楽』 は。岩波文庫の上巻だけは通読を終えている。 確かに料理、食べ物の話が満載であるが、他にも世相を批判するようなものもある…

不運な女

村井弦斎の 『食道楽』 を、ぼちぼち読んでるのだが、まさに牛歩のごとしで、進まざること何とかのごとしだ。 たしかに上・下巻のそれzそれが500ページくらいあるから、合わせれば千ページということになる。 私が読んでるのは、それなりに分厚い印象の岩波…