尾川周明 獄中日記を読む

本当は「読んだ」である。

 

昭和11年の6月16日から昭和12年の10月12日の範囲に及ぶ大川周明の「獄中」日記。

 

10月13日以降のものは収録されていない。

 

なぜなら、昭和12年10月13日に仮出所したので、もはや「獄中」ではなくなったからだ。

 

出所の少し前、10月8日の記述に「スペイン植民史を了す」とある。

 

スペイン植民史については、9月13日の記述に「来週より約三週間の予定でスペイン植民史起稿。すなわち十月十七日に了る予定」とある。

 

何日で書き上げるという細かい予定まで立てていたのだ。

 

それが、何と10月8日には書き終えてしまったというのだからすごい。

 

彼が書いていた植民史の著作の最後がスペインを扱った部分だったのだ。

 

ノート40冊にものぼる原稿は、出所後に『近世欧羅巴植民史』として出版されることになる。

 

 

 

この本の前半は「獄中」日記だが、後半は「米英東亜侵略史」で、昭和16年12月14日から19日にかけて、大川がNHKラジオで放送した内容を冊子にしたもの。

 

 

本を返却するまで残り2日なので、読み通せない可能性もある。

 

せっかく前半は目を通したのに、「読了」はせずに返却となれば、エディタで記している読書記録に記録できない。残念なので、これまでやったことはないが、「前半読了」などという注記を付して記録することにしようかな。