最近は本が読めなくて、このまま行ったらどうしようと案じていたが、全く読めないわけでもないことが分かった。
とにかく1冊の本を読み通せないまま何か月も過ごしていたが、軽い読み物なら読めそうだ。
先日、市の図書館に行って、3冊借りてきた。
読めない読めないと言ってる者が3冊も借りてどうするんだ、と言えなくもないが、どうせ読めないのなら、適当に3冊借りてきて、その中の最も読めそうなものを1冊読んでしまおう、という魂胆。
その中の1冊が宮内悠介『国歌を作った男』(講談社、2024)。
短篇集である。これなら1作づつ読めばいいので、それぞれの短編を "読み終える" ことをすればいいわけである。
初めの2編「ジャンク」と「料理魔事件」は読み終えた。
なかなか面白い。さすがは講談社という大手出版社の出した本だけのことはある。
ただ、後者の終わりの方にあったこんな文は変だ:
ここまで聞いていた警部が (中略) わたしを向いた。
これは「わたしの方を向いた」あるいは「わたし(の方)を見た」ではなかろうか。
チェックする人が見落としたのではないかと思う。
[続記]
上に「向く」に関して引用までしたが、「パニック -- 一九六五のSNS」にも
・・・ わたしは婦人を向いた。
という文 (p85) があったから、作者の書き誤りなどではないと思われる。
そういう言い方があるのかどうか、今のところ分からない。「東を向いた」のように "方角" を表す語が対象である場合には自然だろうが、人に対しても用いられるものなのかどうか ・・・
