2020-01-01から1年間の記事一覧

見た 飲んだ 釣った

今朝がた、開高健 『夜と陽炎 (耳の物語2)』 を読み終えた。 年譜を見ると、奇しくも12月30日は開高健の誕生日だった (出生は1930年)。 心中に悲しみを携えて疾走して生き、見て、書き、飲みした人のような気がする。 享年58歳は早すぎるが、苦しみなが…

「やたけたに」

先日は開高健の自伝作品 (『夜と陽炎』) の中で見かけた 「かいなでに」 という言葉を取り上げたが、また 「ん?」 と思う言葉に出会ったのでメモしておく。 ふらふらとそう思いきめてみると、いつごろから身についた衝迫か、先天性とも後天性ともつかず、…

「かいなでに」

日が空いてしまったので、そろそろ何か書いておかねばならんかなぁと思うが、取り立てて書くべきこともなし。 読み終えた本が1冊ある。下の本だ。 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」 (ブルーバックス) 作者:吉…

読了メモ

前回アップしてから、またも時間が空いてしまった。 図書館から貸し出しを受けた 佐藤満彦 『ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿』 (講談社学術文庫、2020) だけは大急ぎで目を通したものの、もう1冊は全く読めずじまいで返却する羽目になった。 今回…

最近のこと

またまたアップが止ってしまった。 きちんとしたものを書こうという意識が働くためかもしれない。 こうなったら開き直りで、メモのようなものでも書いていくかな。 それにしても ・・・ こんな内容でしかなくて、こんな書き方のものなのに、少ないながらもア…

つげ義春の日記

まだ、つげ義春の 『つげ義春日記』(講談社文芸文庫、2020) を読んでいる。 日記なのだから、さっさと読めそうでいて、なかなかだ。 まさか2週間近くかかっても読み終えられないとは想定外であった。 今日明日で、何とか通読を終わらせるつもり。 だって、…

つげ義春の本を借りた

ぎゃっ! 今日のアクセスが5つもある。 ほんとにタマ〜にしか書かない上に、最近はとんとご無沙汰であったにもかかわらず。 何だか申し訳ないような気持ちになってきた。 とはいっても、ここを読書専用のブログにしている以上は、何か読まなければ書きよう…

幸田文さん

Google のバナーというのかアイコンというのか、検索窓の上に絵が表示されることがある。 9月1日のそれは女の人で、周りに書物が積まれていて ・・・ 樋口一葉かとも思ったが、どうも違う。 幸田文さんは、日本人の中でも稀有な存在だったというイメージが…

鳥の名

ずいぶんと久しぶりだ。 たまには書かねばなるまい。 とはいえ、この暑さに加えて例のコロナ。 頭がまともに働いてくれない。 村井弦斎の 『食道楽』 は、まだ読み終えることができていない。 通読するだけで当初の目標は達成するのに、それだけのことに手間…

最近の読書

前に書いてから、また間があいてしまった。 何度も書こう書こうと思いつつ、つい延び延びにしてしまった。 村井弦斎の 『食道楽』 は。岩波文庫の上巻だけは通読を終えている。 確かに料理、食べ物の話が満載であるが、他にも世相を批判するようなものもある…

不運な女

村井弦斎の 『食道楽』 を、ぼちぼち読んでるのだが、まさに牛歩のごとしで、進まざること何とかのごとしだ。 たしかに上・下巻のそれzそれが500ページくらいあるから、合わせれば千ページということになる。 私が読んでるのは、それなりに分厚い印象の岩波…

まだまだ休館

市の図書館の休館が、また延長されてた。ホームページを見たらこうあった、 マジかよ。3月に返却するはずの本が、まだ手元にある。 こうなると分かってたら、何冊も借りとくんだったな。 新たに借りられないから、とりあえず買っていた書籍を読んでる。 と…

断頭台に消えた詩人

全く知らない詩人ではあるが、Katherine Pancol の The Yellow Eye of Crocodiles という小説中の言及が印象的だったので、その部分を引用してみる。 She felt like the poet André Chénier, coolly marking the page in the book he was reading as he clim…

アーネスト・サトウの日本人評

アーネスト・サトウの回想記の中にこんな一節があった、 日本の下層階級は支配されることを大いに好み、権能をもって臨む者には相手がだれであろうと容易に服従する。 ちょいと耳が痛いな。 一外交官の見た明治維新〈下〉 (岩波文庫 青 425-2) 作者:アーネス…

休館中

市の図書館の閉館期間がどんどん延長されている。 3月の半ば頃だったかに返却する予定だった本が、まだ手元にある。 ホームページには と出ていた。 コロナのためにクルナと言ってるわけだ。 手元にある本の返却もだが、新しく借りることもできやしない。 …

書物の話題

久しぶりに新聞を広げてみたら、サントリー音楽賞についての記事が出ていた。 ふぅん、と思ったのが、第19回の佐治敬三賞を受けたのが フランチェスカ・レロイ の作曲と演出によるオペラ 「鍵」 だったこと。 原作は、あの谷崎潤一郎の 「鍵」 である (私は…

予想屋・安吾

坂口安吾と妻・三千代は伊東市 (静岡県) に住んでいた時期がある。 その頃、伊東市に競輪場ができた。 競輪場が安吾の毎日の散歩コースになり、夫婦は競輪が開催されている間は1日も欠かさずに競輪場に通った。 研究熱心な安吾のこと、次第に勝率が高くなっ…

クラクラ

坂口三千代の 『クラクラ日記』 を読了。 手元にあるのはちくま文庫版で、いつだったか BookOff で¥510 で入手したもの。 20歳前後だったと思うが、かつて一度読んだことがあって、いつか再読したいものだと思っていたのだ。 BookOff で見かけた時に、迷わ…

安吾と電話

坂口安吾の妻・坂口三千代さんの回想記 『クラクラ日記』 の中に 彼は私が覚えている限り、電話というものにさわったことはない。とある。理由は三千代さんにも分からなかったようだ。何日か家をあけても、三千代さんのところに電話をしてくるということはな…

その血は

ジョー・ネスボ 『その雪と血を』 という小説は、たとえば 『レパード』 などと比べると短い。 読みやすくもある (翻訳者が優秀であるという面もあるのかもしれないが)。 ハヤカワ・ミステリ版の解説者は 「不自然なまでに美しい暗黒の叙事詩である」 なん…

御殿の雨漏り

ネスボの2冊目を読了したところだし、今のうちに読みかけのものを少し消化しておこうと取り掛かったのは下の2冊。 石川榮吉 『欧米人の見た開国期日本』 佐藤昭子 『決定版 私の田中角栄日記』 後者の中にこんな記述があった、 ちなみに、目白御殿と言われ…

またネスボを読み始めている

ネスボの 『レパード』 を読んだことだし、また北欧系のサスペンスか何かを読んでみようかなという気持ちで手に取ったら、これもネスボだった。 この作家は、ときどき比喩的な表現を使う。 たとえば、主人公がボスから殺しの依頼を受けるのだが、そのターゲ…

密書を携えた女馬賊

千賀基史の 『阿片王一代 -- 中国阿片市場の帝王・里見甫の生涯』 (光人社、2007) を読了。 その 「あとがき」 に出てきた人物名に興味を覚えた。 中島茂子という女性である。 孫文が日本で中華革命党を結成して中国に戻る時に看護婦として同行。 その後は…

椎名悦三郎とか児玉誉士夫とか

椎名悦三郎とか児玉誉士夫とかの名前が出てくるので、「おぉ」 と思う。 へぇ、あの椎名悦三郎てぇ人は満州にいたのか。 しかも岸信介の子分だった。満州の時代からそういうつながりだったんだな。 資金を集めるためのアヘン。 晩年の彼の姿はテレビで見たこ…

モナリザコード

清水義範 『雑学のすすめ』 (講談社2007) は雑学本だ。 西原理恵子のブッとんだカット絵も入ってる。 この本の中にダン・ブラウンの 『ダ・ヴィンチ・コード』 に触れたところがある。 私も図書館にあったペーパーバック本で通読したことはあるし、ちょう…

寒冷化

ジョー・ネスボの 『その雪と血を』 (ハヤカワ・ミステリ、2016) に、こんな文があった、 この寒さが新年までつづけば、1977年は戦後もっとも寒い年になるらしく、しばらく前から科学者が予言している新たな氷河時代の始まりとして記憶されることになると…

最近の読了

・ ジョー・ネスボ 『レパード 闇にひそむ獣』 (上・下) [集英社文庫] ・ 高野慎三 『つげ義春1968』 [ちくま文庫] 前者は恐れ入るほどのもの。しかし、再読したい気持ちは今のところは起こらない。 後者は、もっと軽く考えていたが、読んでみると、単…

声を聴く

今の私の読書スピードは実にのろのろ運転だ。 どうしてこうなったのか。 理由などどうでもいいけど。 小説ではなく、回想記のような本である 高野慎三 『つげ義春1968」 のような本なら、たちどころに読み通せると踏んでいたのが、これがなかなか進まない。 …

彼女たちの読書傾向

1968年頃に漫画雑誌 『ガロ』 を訪ねてくる女子高生たちがたまにいたそうだ。 当時 『ガロ』 誌の編集に携わっていた高野慎三氏によれば、その女の子たちには読書家が多かったという。 高野氏が何人かの作家の名前をあげている (「 」 内は高野氏の感想)、…

立ちションの態様

ジョー・ネスボ 『レパード』 の中で、ある山小屋にたどりついたハリーが、立ちションをする場面がある。 ハリーは小屋の壁に向って小便をする。 その時ハリーは、男はなぜ何かに向って小便をするのだろう、と考える。 どうでもいいようなことだが、そんなこ…