前に書いてから、また間があいてしまった。
何度も書こう書こうと思いつつ、つい延び延びにしてしまった。
村井弦斎の 『食道楽』 は。岩波文庫の上巻だけは通読を終えている。
確かに料理、食べ物の話が満載であるが、他にも世相を批判するようなものもある。
一応は小説なので、主人公の嫁取りがどうなるのかも気になるのだが、そんなことはお構いなしのように料理談などが続く。
著者の道徳観が、現代に適用できるものかどうか疑問だが、それはそれとして、そういうことを考えてた人がいたというくらいな気持ちで読めばよかろう。
しかし、分厚い文庫本を読み終えたものの、それでまだ半分かと思うと、すぐに下巻に手を出す気持ちにならなかった。
しかし、寝床に何かしらの書物を持って入る習慣なので、何か適当に ・・・ と思って書棚を見ると、これも以前 BookOff で買ったものの、いつになったら読み始めることやらという状態にある本に目がいった。
石黒忠悳という人の書いた回想記 『懐旧九十年』 という本。これも岩波文庫だ。
BookOff で¥410 で買ったのだから、消費税が 10% になって以降に買ったのだと分かる。
読み始めてみると、なかなか興味深い。
著者が生まれたのは江戸時代。武士の家である。
子どもの頃の回想から、その頃の武士の生活のいったんがうかがえたりする。
父の死を受けて、13歳だったかで元服して代官所に勤めることになる。
その年齢で役人の端くれみたいなのになったのだから、えらいものだ。
ところが、そのうちにいろいろあって、尊皇派になるのである。
渋沢栄一の 『雨夜譚』 を読んだことがあるが、あの中で勤王の志を立てて活動を始めたエピソードがあったが、それを思い出した。
そのあたりまで読み進んだが、このまま読んでいくかどうかは分からない。
しばらくお休みということもあり得る。