またネスボを読み始めている

ネスボの 『レパード』 を読んだことだし、また北欧系のサスペンスか何かを読んでみようかなという気持ちで手に取ったら、これもネスボだった。

 

 

この作家は、ときどき比喩的な表現を使う。

 

たとえば、主人公がボスから殺しの依頼を受けるのだが、そのターゲットはボスの妻。

 

ターゲットとして楽勝だし、報酬もはずんでくれるようだ。

 

だが主人公は考える、

 

 武器をどっさり身につけた疑りぶかい4人の凶悪犯を相手に、ポーカーをやってる気分だった。しかもこちらは、ちょうどエースが4枚そろったところ。

 

なるほど、そりゃヤバいかも。仕事は楽勝でも、問題はその後だ。

 

悪くすると、口封じということもあり得るではないか。

 

そのことを直接的な表現ではなくて、上に引いたように、比喩で表現している。

 

 

 

 

その雪と血を (ハヤカワ・ミステリ文庫)

その雪と血を (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

 

 

せっかくだから、もう1つだけ引用してみる。こんな文がある、

 

 雪はやんでいた。雨樋でもの悲しい調べを奏でていた風も、すでに楽器をしまっていた。

 

どう? 殺し屋にしては、粋な表現をするではないか。