T・ジェファーソン・パーカーという米国の女性作家の 『渇き』 という小説を読んでいた (渋谷比佐子・訳、講談社文庫、1998)。 女性作家だからでもあるまいが、リアリティーを出すためか、描写などが細かい。それはそれで、よく描けていると思う。 初めて…
レイモンド・チャンドラー『さらば愛しき女よ』(清水俊二・訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、1995 [1976])を読了した。 市の図書館の放出本として入手したものだが、これは得をした気分。有料であったとしても、購入して損はなかっただろう。 他のチャンドラー…
訳文には引っかかるものがあったりするが、毎晩 レイモンド・チャンドラー 『さらば愛しき女よ』(清水俊二・訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)を読んでいる。 たとえば今夜は263ページから読むことになるが、 建物は3階で、屋上に鐘楼があり、・・・ という文…
ジェイソン・コーゾル 『ドル大暴落の日』(講談社文庫、1992) を読了した。 世界規模での為替相場の謀略的な操作によって、米ドルを暴落させ、日本が米国を支配せんというとてつもないことを考え、実行に移した元日本兵。 それにからめて、米国人男性と日本…
前回書いたのが1月20日。間が開きすぎだな。 せめて1週間に1度くらいは書くといいのだが、無精な上に、寒くて、夕食の後はのんびりして、それから風呂に入って蒲団に入って ・・・ という有様で、ましてこれといって書くほどのこともないのだから、ついつ…
去年の末に図書館から借りてきた3冊のうち、読み終えたのは1冊だけ。 何とか読み通したいと思った 『島崎藤村短篇集』 も、途中までになった。 今は便利なもので、ネットで延長手続きが出来るのだが、それが出来るのは1回だけに限られている (そりゃ、い…
森まゆみ『にんにちは一葉さん』(NHKライブラリー、2004)は読み終えている。 よって、もう1冊の方、『島崎藤村短篇集』(岩波文庫、2022)の方を読み進めてはいるのだが、返却期日までに読み終えるのは無理だ。 延長できたら延長するし、ダメなら返却する…
ブログというのは、何かタイトルをつけなければならないみたいで、そうすると、雑記みたいなものを書きにくい。 タイトルを付けるような、そんな大した内容があるわけでもない場合、つい手控えてしまう。 所詮は、何かの検索でたまたまヒットしたという人く…
トマス・エンゲル 『瘢痕』 に続いて、やはりノルウエーの、カリン・フォッスムという人の 『湖のほとりで』 (PHP文芸文庫、2011) を読んでいる。 これも 「北欧ミステリー」 だ。 返却日までに読み終えることは無理と判断して、早めにネットで延長手続きを…
トマス・エンゲル 『瘢痕』 に続いて、やはりノルウエーの、カリン・フォッスムという人の 『湖のほとりで』 (PHP文芸文庫、2011) を読んでいる。 これも 「北欧ミステリー」 だ。 返却日までに読み終えることは無理と判断して、早めにネットで延長手続きを…
意図したものではなかろうけれど、The mother's book という書物を書いたのが Lydia Marie Child という人であるのは面白い。内容は知らないが、子ども (child) という人の書いた 母親 (mother) についての本、というか、子を持った女性のための本、といった…
トマス・エンゲル『瘢痕』を読み終えて図書館に返却したが、また北欧ミステリを借りてきてしまった。 今度はカリン・フォッスム『湖のほとりで』(PHP文芸文庫、2011)だ。これもノルウェーの作家の作品。 北欧ミステリはスエーデンやデンマークのものも翻訳…
前回 「訳文が気になる」 で言及したトマス・エンゲル 『瘢痕』(ハヤカワ・ミステリ文庫、2014)であるが、やっと読み終えた。 574ページまであるから、文庫本とはいえ、かなりな長編を読んだようなもの。 毎晩、寝床の中で読み続けた。 何だか、横になった…
大本泉さんの本を通読したので、トマス・エンゲル 『瘢痕』(ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み始める。 初めの方は、どうもすんなり読めない。北欧ミステリの作品では、こんな感じの出だしのものもあったような気はするが。 まだ、ほとんど読み進んでいないの…
前回、久しぶりに市の図書館に足を向けてからもう2週間。 天気もよし、運動がてら、ぶらぶらと歩いて行ってみた。 前に借りた本を返し、館内をぶらぶら。 前回、大木泉『作家のごちそう帖』(平凡社新書、2014)を借りてきて通読したのであったが、同じ場所…
大本泉『作家のごちそう帖』(平凡社新書、2014)に、芥川龍之介の好物の話があった。こんな一節がある: 芥川は、あまり食事にこだわりがなかったようだ。ただし、 主人は鰤の照焼が大好物で、それさえあれば他には何にもいらないというほどでした。 と、こ…
前回の 「読了メモ」 が5月くらいだったか。 あれ以降に読んだ本はあるが、いちいちメモしなかった。 今頃になって ・・・ だが、わりと最近に読んだものをメモしてみる。 えっと ・・・ 7月の終わりにレチフ・ド・ラ・ブルトンヌの『パリの夜』を読んだ後…
山口瞳『行きつけの店』(新潮文庫, 2009 [2000])の中に、こんな一節があったので、書き写してみる。 皆美館は、古来、ラフカディオ・ヘルン、島崎藤村に愛され親しまれた旅館である。田山花袋、与謝野鉄幹・晶子夫妻、志賀直哉もよく泊っていったそうだ。 …
朝と夜は別にすれば、日中は陽ざしがあって、暖かいといってもよい天気だった。 いつが最後だったか思い出せないが、久しぶりに市の図書館に行ってみた。 長居をするつもりはなく ・・・ というか、コロナ以前は夜の9時くらいまで開いてたような気がするが…
昨日、市内の小さな Book・Off に出かけて、文庫本を2冊買ってきた。 本を買うのは久しぶり。金額は¥110 x 2 である。漱石の鏡子夫人の回想記である 『漱石の思い出』 にも手が伸びたが、¥110 ではなくて数百円だったので、またの機会にでも、と断念。 買…
"ハンガリー出身のイギリスで活躍した小説家" の バロネス・オリツィ (1865-1947) の本名は エマースカ・マグダレナ・ロザリア・マリア・ホセファ・バルバラ・オルツィ・バーストウ だそう。アルファベット表記だと Emmuska Magdalena Rosalia Maria Josefa …
欠伸と書いてアクビと読む。なるほど、背伸びしたくなるかも。 岡田斗司夫が自由学園という学校で講演した時の様子を動画にしたものを見てたら、背伸びをする場面があった。 そこで岡田は犬のアクビのことに言及している (12分くらのところ)。 犬のアクビ…
この 「過去の読了書記録から」 というのを、最近は出してなかったな。久しぶりに出してみよう。 2006/01/04 M・ハーシュ・ゴールドバーグ 世界ウソ読本2006/01/13 Tracy Chevalier Girl with a Pearl Earring2006/01/16 松岡美樹 ニッポンの挑戦 インターネ…
久しぶりに途中まで読んで放り投げてしまっていた Freya North の Sally を、以前読み進んでいた辺りから読み始めた。 "読む" とはいっても、私の英語力では、おおよその内容をつかもうとする程度のものでしかない。 水疱瘡のために勤める小学校は休職して、…
「雑誌」 という日本語は、おそらく小学生でも知っているだろう。 しかし、「雑誌」 という語が、日本に太古からあった ・・・ わけではない。 かなり新しい語である。 この語の初出は、慶応3年まで遡れるらしい。 命名者も分かっている -- 柳河春三(やな…
前回は 「暑い」 という、色気のないタイトルにしたのだが、最近は夜は結構涼しくなった。 昼間は相変わらず暑いわけだが、夏を楽しまないうちに秋の気配を感じるようで、こころなし寂しくもある。 そんなことはどうでもいいのだが、今日の朝刊に出てた広告…
とにかく、読めない。だから、「読書ブログ」 を書いてみようと思って立ち上げたこのブログが、停滞したままである。 その言い訳が 「暑い」 なのだ。 基本的に、「読書」 は夜、床の中でしてる。 しかし、毎夜の蒸し暑さ。眠れぬ日々が続けば、頭もボーッと…
729冊というのは、2021年に、全米の図書館で禁書にされた本の総数 (1日2冊くらいの割合だな)。 この数値は2020年度の倍であり、米国図書館協会 (ALA) が記録を取り始めてから最多であるという。 1,597 冊が問題視されて、そのうちの729冊が禁書とされた…
ちょっと珍しいなと思った。アルファベットの書名なのに、縦書きなのである。 これは、米国の女性作家でジャーナリストの Nora Waln (1895-1964) という人の著書の1冊。 www.gutenberg.org 著者は、1920年に中国に行き、12年間滞在して、そこで出会った英国…
高橋秀実 『不明解日本語辞典』 (新潮文庫、2018) を読んだ。読了記録を見ると、これで3度目である。 またいつか再読するだろうことは確実な本だ。それほどすごい本なのである。 「どこが?」 と尋ねられると返答に困るのだが、そこいらの日本語関連の書籍…