予想屋・安吾

坂口安吾と妻・三千代は伊東市 (静岡県) に住んでいた時期がある。

 

その頃、伊東市に競輪場ができた。

 

競輪場が安吾の毎日の散歩コースになり、夫婦は競輪が開催されている間は1日も欠かさずに競輪場に通った。

 

研究熱心な安吾のこと、次第に勝率が高くなっていく。

 

ついには、競輪場の予想屋とも顔見知りになり、予想屋安吾の予想を訊ねるまでになったという。

 

予想屋が予想を訊ねるくらいだから、大したものだ。


坂口美千代の回想記 『クラクラ日記』 の中に、そんな話が出ていた。