英国の文学史の上で、後世に名を遺した3姉妹といえば、ブロンテ姉妹だろう。
すなわちシャーロット、エミリー、アンの3姉妹。
だけど、姉弟は3人だけではなく、6人いたそうだ。
そんなことを思い出したのは、宮脇孝雄の 『洋書ラビリンスへようこそ』 (アルク、2020) という本をめくっていて、マーガレット・ダレルという人の著書に言及している箇所を見た時である。
マーガレット・ダレルの兄は、あの ロレンス・ダレル であり、彼女の弟は、動物方面の著作などで有名なジェラルド・ダレルなのだ。
すなわち、兄妹の3人が3人とも、それぞれ分野は異なるが、それなりの読者を得てきた著書を著している。
マーガレット・ダレルの "下宿屋のおばさん" としての回想記である Whatever Happened to Margo? が書かれたのは1960年代だが、彼女はその原稿を屋根裏部屋に放り込んだままにしていた。
それを "発見" したのは彼女の孫娘で、その原稿が書かれてから40年近く経ってから出版された (1995年) のである。
彼女が亡くなったのは、それから12年後。
いろいろと面白いエピソードが書かれているようで、読む機会があれば読んでみたいような気もする。
宮脇氏の本にはロレンス・ダレルの伝記本を紹介した章もあって、それは Gordon Bowker: Through the Dark Labyrinth という本。
なるほど、いかにもロレンス・ダレルの作品をイメージさせるタイトルだとは思う。
ただ、ダレルの小説は、かつて、翻訳で読もうとしても難解過ぎて、よく分からなかったという記憶がある。