リチャードソン

メモ

 

ちょいと Gutenberg の recent を開いてながめていたら、Dorothy Richardson の Trap という作品が出ていた。

 

Pilgrimage Volume 8 とある。すると Pilgrimage という作品の第8巻 (第8部) ということになる。

 

Trap という題名から、推理小説みたいなものかと思って著者について検索してみると

 

 ドロシー・リチャードソン (1873 - 1957)

 英国の作家。

 13巻におよぶ長編 『遍歴』 で名高い。

 ジェイムズ・ジョイスヴァージニア・ウルフと並んで、「意識の流れ」 を描く手法の創始者の1人

 

 ということが分かった (→ コトバンク: 20世紀西洋人名辞典 [ドロシー・M・リチャードソン])。

 

初めて見る名前だが、そんなすごい作家のそんな作品が、ネットの上に公開されているのだから、今はすごい時代だなと思う。

 

現在公開されているのは第8巻までだが、いずれ最終巻まで公開されるのだろう。

 

なお、ヴァージニア・ウルフは 1882 - 1941 だから、ドロシー・リチャードソンはウルフよりも9年早く生まれている。

 

それからジョイスの方は ・・・ 1882 - 1941 だ。

 

アッ! ヴァージニア・ウルフの生きた年と重なっている! これって、偶然?

 

 

ついでに最近読み終えたものについてもメモしておこう。

 

 Robert B. Parker: Double Play (Berkley Books, 2004)

 

Hard-Off で¥200 で入手したペーパーバック。

 

 Parker の私立探偵ものなんかのファンには満足いかない可能性もあるが、大リーグへの思い入れとか、ノスタルジックな面もあって、そういうのとハードボイルド作家としての作家魂とがミックスしたというか、あるいは打ち消し合ったというか、そういう面もあるかもしれない。

 

だけど、これでもかという簡潔にして単純なセリフのやり取りの部分とかは、いかにもハードボイルドだ。

 

主人公は太平洋戦争でガダルカナル島で日本軍との戦闘で瀕死の重傷を負った男。

 

本土に送り返されて病院生活を余儀なくされ、やっと歩けるくらいまでに快復して家に戻ると、妻は書置きをしてどこかの男と去っていた。

 

男の中の何かが失われ、やがて1匹狼的なボディーガードの仕事をするようになる。

 

そんな男が伝説の、初の黒人大リーガーであるジャッキー・ロビンソンのボディーガードをすることになるのだが ・・・

 

ということで、実在した大リーガーまで登場するのだ。

 

すごくクールな会話を楽しめたりもする。

 

不満は主人公が女とかかわることだが、それがないと話が進まないとなれば仕方がない。

 

 

他に、新井白石の 『折たく柴の記』 (岩波文庫) を、まだ毎晩寝床で数ページづつ読んでいる。大体半ばは超えた。

 

自分の実績を誇っているのかとも思ったりしたが、相当に詳細な記述があることからして、日記のようなものに基づいているのだろう。