最近読んだ本
山本一力 『赤絵の桜』
時代小説である。
図書館に行くと山本一力の本がズラリと並んでいる。それだけ人気があるということか。
棄捐令というのは、むか~し日本史の授業に出てきたような気がする。
借金を帳消しにするというのだから、無茶苦茶な命令と思えぬでもない。
そうでもしないと幕府の財政が維持できなかったのだから、哀れと言えば哀れ。
とばっちりを受けたのが、それまでは羽振りの良かった札差たち。
幕府公認の札差だから、限られた人数しかいなかったが、それだけに独占的な立場にあったのだ。
山本一力のこの小説では、そういう背景に、深川という土地を結びつけている。
私が連想する深川は芸者くらいなものだが、時代小説の中で描かれる深川は、それなりに興味深い。
土地との結びつきを意識したわけではないが、今読んでるのは岩中祥史という人の書いた 『博多学』 (新潮文庫、2009) という本。
その本が出てから10年以上も経ってるから、現在の状況は変わっているかもしれないが、それはそれとして、なかなか興味深い内容を含んでいる。