2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

予想屋・安吾

坂口安吾と妻・三千代は伊東市 (静岡県) に住んでいた時期がある。 その頃、伊東市に競輪場ができた。 競輪場が安吾の毎日の散歩コースになり、夫婦は競輪が開催されている間は1日も欠かさずに競輪場に通った。 研究熱心な安吾のこと、次第に勝率が高くなっ…

クラクラ

坂口三千代の 『クラクラ日記』 を読了。 手元にあるのはちくま文庫版で、いつだったか BookOff で¥510 で入手したもの。 20歳前後だったと思うが、かつて一度読んだことがあって、いつか再読したいものだと思っていたのだ。 BookOff で見かけた時に、迷わ…

安吾と電話

坂口安吾の妻・坂口三千代さんの回想記 『クラクラ日記』 の中に 彼は私が覚えている限り、電話というものにさわったことはない。とある。理由は三千代さんにも分からなかったようだ。何日か家をあけても、三千代さんのところに電話をしてくるということはな…

その血は

ジョー・ネスボ 『その雪と血を』 という小説は、たとえば 『レパード』 などと比べると短い。 読みやすくもある (翻訳者が優秀であるという面もあるのかもしれないが)。 ハヤカワ・ミステリ版の解説者は 「不自然なまでに美しい暗黒の叙事詩である」 なん…

御殿の雨漏り

ネスボの2冊目を読了したところだし、今のうちに読みかけのものを少し消化しておこうと取り掛かったのは下の2冊。 石川榮吉 『欧米人の見た開国期日本』 佐藤昭子 『決定版 私の田中角栄日記』 後者の中にこんな記述があった、 ちなみに、目白御殿と言われ…

またネスボを読み始めている

ネスボの 『レパード』 を読んだことだし、また北欧系のサスペンスか何かを読んでみようかなという気持ちで手に取ったら、これもネスボだった。 この作家は、ときどき比喩的な表現を使う。 たとえば、主人公がボスから殺しの依頼を受けるのだが、そのターゲ…

密書を携えた女馬賊

千賀基史の 『阿片王一代 -- 中国阿片市場の帝王・里見甫の生涯』 (光人社、2007) を読了。 その 「あとがき」 に出てきた人物名に興味を覚えた。 中島茂子という女性である。 孫文が日本で中華革命党を結成して中国に戻る時に看護婦として同行。 その後は…

椎名悦三郎とか児玉誉士夫とか

椎名悦三郎とか児玉誉士夫とかの名前が出てくるので、「おぉ」 と思う。 へぇ、あの椎名悦三郎てぇ人は満州にいたのか。 しかも岸信介の子分だった。満州の時代からそういうつながりだったんだな。 資金を集めるためのアヘン。 晩年の彼の姿はテレビで見たこ…