減量

ここ何日か、寝床で 『あなたの不幸は蜜の味』 (PHP文庫、2019) を読んでる。

眠る前の儀式みたいな 読書 だ。

 6人の女性作家の作品のアンソロジーなのだが、今日、ネットである記事を見てたら、その本の2番目に収録されている小池真理子の 「贅肉」 のことを思い出した。

 

ゆりやんレトリィバァ という女芸人がいるそうで、もともとの体重が 110kg だったという。

それを 65kg にまで落としたそうだ。

つまり、45kg の減量。 [→ ココなどで見た]

 すごいことのように思われるが、考えてみると、そもそも体重 110kg というのが異常だったのではなかろうか。

 

小池真理子さんの 「贅肉」 は (「小池真理子さんの贅肉」 ではなくて、"小池真理子さんのお書きになった 「贅肉」 という作品" のことなので、お間違えなく → 間違う者などいないだろうが、念のために記しておく)、美しい女性がパクパクと食べ続けて、ブクブクと肥っていくお話。

他人事とは思えない (特に、美人である点が) という方がおられたら、ご用心を (笑)。

 

 

 

 

 

 

 

ブログから削除した追記

ここではないところにもブログを書いてるのだが、今日 [ノンバイナリー] というタイトルで書いた。

 後になって、以下の部分を追記してみたのだが、改めて見ると、そんなものは余計なものに思えて削除。

 短いものだが、ここにだけ残しておこうかな。

  

かつて Iris Murdoch の The Book and the Brotherhood という小説を読んだことがあるが、その中に出てきたある夫婦には子どもがない。夫の方は、自分に子種がないせいだと思い込んでいた。ところが、いろいろあった後に、酒を飲んで酔って寝ているところに、ある若い女性が来て、彼は自覚せずして彼女と性交をしてしまう。その結果 ・・・ そう、その女性は妊娠してしまうのである。ただし、男性の方はその事実を知らない。そして、彼の元に戻ってきた妻に、やはり以前のように愛情をもって接し、自分には子どもをもうけさせてやる能力がないのだという負い目を感じ続けていくのである。えっ、妊娠した女性はどうしたかって? あまり言いたくはないが、ひそかに処理してしまったのである。それだけではすまず、今度はその若い女性は、自責の念で狂ったようになり、尼僧になってしまうのだ。あぁ、女性の書く小説は残酷である。

 

 私の持ってる The Book and the Brotherhood は Penguin 版で、わりと分厚い。

 

* 今見ると、情報に不足しているところがある。彼の妻は、夫のもとを離れて、ある男のところに出奔していたのだ。夫は、やけになってひとりで酒を飲んで寝ていて、そこに若い女性が心配してやって来て ・・・ そしてああなってこうなった、という次第。

 

* 数日前にここに貼りつけたものの、アップしないままになってたが、せっかくだから、アップしちまうことにした。「読書」 関連といえるから。

  

 

 

 

 

読了メモ 21/08/10

昨夜、ミキータ・ブロットマン 『刑務所の読書クラブ』 (原書房、2017) 読了。

  

その本について書くことを思いつかないので、とりあえずメモだけしておく。

 

 

続けて読み始めたのが、こないだ図書館で借りてきた 『あなたの不幸は蜜の味』 (イヤミス傑作選) というアンソロジー

 

6人の作家の短編が集められているが、すべて女性作家である。

 

寝床で、眠りにつく前の時間の読書用に。

 

 

ブロットマンの本を返却日までに読まなきゃと思って、それまで読んでいた Tracy Chevalier : Falling Angels を棚上げにしていたが、残り10数ページくらいなのだから、こちらも早く読み終えてしまいたい。

 

 

 

 

 

 

囚人たちと読書を

2、3日前、久しぶりに市の図書館に出かけていって1冊だけ借りて帰った。

 

ミキータ・ブロットマン 著 (川添節子・訳) 『刑務所の読書クラブ』 (原書房、2017

 

小説ではない。一種のドキュメントといえる。

 

コンラッドの 『闇の奥』 に始まり、10冊目のナボコフの 『ロリータ』 まで。

 

囚人たちがどのように受け止めた (読んだ) かということは、もちろん興味深いところだが、本当は、そのような交流を通して、著者自身が改めてそれらの作品の根幹に触れることになり、そしておのれ自身が変容するのを観察していたのではないか。

 

そういう予想を、まだ前書きと第1章の初めの方までしか読んでいない私は、立てた。

 

予想はともかくとして、とにかく読み進めたい。

 

 

 

 

 

 

 

ところで、この本の 「はじめに」 を読み始めて少しして、「当番兵」 という語が出てきた。

 その下にカッコがあって、註が入っている。それは

  将校に使えて身辺雑務を担当する

 というもの。

 「使えて」 は 「仕えて」 の誤り。

 こんな分かりやすい誤りさえ見落として活字にしてしまったのかと、失望を覚えた。

 

手抜きがあったかもしれないと思うと、その程度の本なんじゃないかという疑いを抱いてしまう。

 いい本である場合は、惜しいことだ。第1章の次の部分でも、本の形にする以前のチェックがおろそかであったことがうかがえる:

  スリルと興奮を求める気持ちが抑えられなんだよな。

 「抑えられなんだ」 ではなかろうか。私は 「い」 が脱字していると思った。

 方言ぽい言い方をしたんだという可能性は、低いように思われる。

 本当にいい本だから、きちんとした形で出したい、という思いがあったら、こういうエラーは出にくいのではないだろうか。

 

 そして、また目に入ってしまった。

 54ページに

  何の肉だがよく分からないようなミンチ肉の塊に

 とあるが、「何の肉だが」 は 「何の肉だか」 なのだろう。

 まさか方言で語らせているのだとも思えない。

 

あっ、58ページにもおかしな箇所がある。

  闇の魅力にとりかれた者とマーロウを分けたのは

 の 「とりかえた者」 は 「とりつかれた者」 で、「つ」 が脱落しているのだと思われる。

 

第1章だけでも何箇所もこういうのがあるとなると、先を読もうという気持ちに影響しかねない。

 

 p121 の次の部分もひょっとしたら ・・・

  さまざま治療法についても議論した

 は、「さまざま」 とあるべきなのでは?

 

246ページの

  「もう、いいかげんしろよ」

 という部分は、私だったら 「いいかげんに」 と 「に」 を入れただろうなと思う。

 

他には279ページの

 何を隠そうしている?

は 「隠そうと」 だろうし、281ページの

 ハンバート・ンバート役の

という部分にはずっこけた。

『ロリータ』 の語り手の名は、「ハンバート・ンバート」 だ。

 

飼い犬に手を噛まれた女王

英国の女王エリザベス2世は、飼っていた2匹のコーギー犬同士が喧嘩するのをやめさせようとして、手に何針も縫う怪我を負った。

 

犬同士の喧嘩に際して、人間が、叫んだり叱ったりするのは逆効果になりかねないという。

 

犬の注意を他に逸らすようなこと (大きな音を立てるとか) をするとか、ホースで水をかける、もしくは毛布やコートを被せるなどの処置をすれば、犬の気持ちを落ち着かせる効果があるらしい。

 

スタンレー・コレン 著 『犬語の話し方』 (文春文庫、2002) という本の中にあった。

 

ちなみに、木村博江さんの訳文は見事だと思う。ごく自然な日本語の文になっている。

 

 

 

 

過去の読了書記録から (3) - 2004年1月~6月

むかし、こんなの読みました みたいなリストを出してみる第3回目。

頭に * を付けたのは、まぁ目を通しはしたけど、普通の意味で 「読んだ」 とはいえないだろうと思われるもの (このリストからは除外してもよかったんだが、せっかくだから)。

 

2004/01/09 J・G・バラード コカイン・ナイト (新潮社,2001)
*2003/01/15 加納喜光 読めそうで読めない漢字2000 (講談社+α文庫、1995)

2004/01/23 レナード・ムロディナウ ファインマンさん 最後の授業 メディアファクトリー、2003)
2004/01/31 中島らも こらっ (集英社、1995)
2004/02/05 村上春樹 ノルウェイの森 [上・下] (講談社文庫、1991)
2003/02/16 ピーター・マース FBI スパイハンター 史上最強スパイ逮捕の極秘ファイル (徳間書店、1995)
2004/02/20 脇英世 インターネットを創った人たち青土社、2003)
*2004/02/20 吉田武 大人のための「数学・物理」再入門幻冬社、2004)
*2004/03/02 粂井康孝 猫でもわかるWindowsプログラミングソフトバンク パブリッシング、2004)
2004/03/06 ジャン=ポール・サルトル 言葉 [「サルトル全集」第二十九巻] (人文書院、1971)
*2004/03/06 ダニエル・ヒリス 思考する機械 コンピュータ [「サイエンス・マスターズ」15] (草思社、2000)
*2004/03/16 野本等 基礎Javaインプレス、2002)
2004/03/16 カレル・チャペック ひとつのポケットから出た話晶文社、1997)

2004/03/22 アンディ・マクナブ ブラヴォー・ツー・ゼロ SAS兵士が語る壮絶な湾岸戦記 (早川書房、1995)
2004/03/24 筒井康隆 満腹亭へようこそ北宋社、1998)
2004/03/27 森毅 魔術から数学へ講談社学術文庫、1998)
2004/03/29 藤田雅矢 糞袋 (新潮社、1995) [第7回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作品]
*2004/03/30 ジェームズ・M・バーダマン 辞書には出ていないアメリカ英語フレーズBOOK (明日香出版社、2004)
2004/04/10 サラーム・パックス バグダッドからの日記ソニー・マガジンズ、2003)
2004/04/13 佐藤修一 自然にひそむ数学  自然と数学の不思議な関係講談社 Blue Backs、1998)
2004/04/13 マーガレット・A・サリンジャー 我が父サリンジャー (新潮社、2003)
2004/04/14 トマス・G・ウェスト 天才たちは学校がきらいだった講談社、1994)
2004/04/23 Erica Jong Fear of Flying
2004/05/02 マイケル・パタニティ アインシュタインをトランクに乗せてソニー・マガジンズ、2002)
2004/05/04 村上春樹 神の子どもたちはみな踊る (新潮社、2000)
*2003/05/13 谷沢永一 知らない日本語 教養が試される341語幻冬社、2003)
2004/05/15 ジョエル・コストマン ニューヨークの錠前屋、街を行くグリーンアロー出版社、1999)
2004/05/21 丸山健二 生者へ  (新潮社、2000)
2004/06/06 ウラジーミル・ナボコフ ディフェンス河出書房新社、1999)
2004/06/16 Ed McBain Fat Ollie's Book (Pocket Books、2003)
2004/06/23 花村萬月 ゲルマニウムの夜文藝春秋、1998)
2004/06/26 鹿島茂 パリの王様たち (文春文庫) * 2度目の通読

 

ほとんどの本について、内容はほぼ忘れてしまっている。

J・G・バラードの 『コカイン・ナイト』 は、小説だが、考えさせるところもある。

中島らもの本は面白い (亡くなったのは残念)。

『ブラヴォー・ツー・ゼロ』 は、湾岸戦争において部隊が孤立したため、イラク側の捕虜になった英軍兵士の体験談。

筒井康隆のものが面白いのは言うまでもないが、藤田矢の 『糞袋』 なんて、テーマもタイトルも斬新。

アインシュタインをトランクに乗せて』 とか 『ニューヨークの錠前屋、街を行く』 とか、前者は小説だったと思うが、どちらもそれなりに面白かったような気がする。

Fat Ollie's Book は、市の図書館に1冊だけあった Ed McBain の小説のペーパーバック。エド・マクベインという作家の名前は知ってたけど、作品を読んだのは初めて。予想外に面白かったとだけいっておこう (私の英語の読解力でも楽しめるレベルの英文であった)。

花村萬月の受賞作については、恐れ入りやしたという他には、何もいうことはあるまい。

 

 

 

過去の読了書記録から (2) - 2003年7月~12月

2003/07/01 塩野七生 わが友マキアヴェッリ (中公文庫)
2003/07/03 フェデリコ・アンダーシ 解剖学者 (角川書店,2003)
2003/07/03 野坂昭如 絶望的楽観主義ニッポン (PHP,1999)
2003/07/06 谷崎潤一郎 陰翳礼讃 (中公文庫)
2003/07/06 筒井康隆 天狗の落し文 (新潮社,2001)
2003/07/11 チャールズ・ブコウスキー 死をポケットに入れて (河出書房新社,1999)
2003/07/14 三好徹 小説ラストボロフ事件 (講談社文庫)
2003/07/15 NHK「わたしはあきらめない」製作班 + KTC中央出版・編 志村けん わたしはあきらめない (KRC中央出版,2003)
2003/07/18 アーレン・ロー ナイーヴ・スーパー (NHK出版,2003)
2003/07/23 ジェリー・カプラン シリコンバレー・アドベンチャー (日経BP出版センター,1995)
2003/07/23 イタロ・カルヴィーノ まっぷたつの子爵 (晶文社,1997)
2003/07/24 群ようこ トラブル クッキング (集英社,1995)
2003/07/25 ベルンハルト・シュリンク 朗読者 (新潮社,2000)
2003/07/27 西田秀秋 長州藩部落民幕末伝説 (社会評論社,2003)
2003/08/01 クリス・ヘッジズ 戦争の甘い誘惑 (河出書房新社,2003)
2003/08/03 アナイス・ニン 小鳥たち (新潮社,2003)
2003/08/04 福沢諭吉 福翁自伝
2003/08/05 マルグリット・デュラス 破壊しに、と彼女は言う (河出書房新社)
2003/08/08 冨岡多恵子 二ホン・二ホン人 (中公文庫)
2003/08/11 Iris Murdoch The Book and the Brotherhood (Penguin)
2003/08/13 ウイリアム・バロウズ ゴースト (河出書房新社,1996)
2003/08/23 岩本千綱 シャム・ラオス・安南 三国探検実記 (中公文庫)
2003/08/23 ジョイス・キャロル・オーツ フォックスファイア (DHC,2002)
2003/08/30 ウィリアム・ロード ペイパーバック・ライター (アーティストハウス,2003)
2003/09/03 ガルサン・チナグ 草原情歌 (文藝春秋,1995)
2003/09/05 向井万起男 ハードボイルドに生きるのだ (講談社,2003)
2003/09/08 松居竜五 南方熊楠 一切智の夢 (朝日選書,1991)
2003/09/18 エハン・デラヴィ フォトン・ベルトの真相 (三五館,2003)
2003/09/19 塩野七生 チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)
2003/09/24 ティボール・フィッシャー コレクター蒐集 (東京創元社,2003)
2003/09/29 大野芳 伊藤博文暗殺事件 (新潮社,2003)
2003/10/11 ニック・リーソン 私がベアリングズ銀行をつぶした (新潮社,1997)
2003/10/23 アレクサンドラ・マリーニナ 盗まれた夢 モスクワ市警殺人課分析官アナスタシヤ [1] (作品社,1999)
2003/10/26 アレクサンドラ・マリーニナ 孤独な殺人者 モスクワ市警殺人課分析官アナスタシヤ [2] (作品社,2000)
2003/11/02 アレクサンドラ・マリーニナ 死刑執行人 モスクワ市警殺人課分析官アナスタシヤ [3] (作品社,2002)
2003/11/06 ベルンハルト・シュリンク ゴルディオスの結び目 (小学館,2003)
2003/11/16 カシュテン・アルネス ザビーナ ユングフロイトの運命を変えた女 (NHK出版,1999)
2003/11/20 村上春樹 海辺のカフカ(上) (新潮社,2002)
2003/11/24 三浦雅士 村上春樹柴田元幸のもうひとつのアメリ (新書館,2003)
2003/11/26 村上春樹 海辺のカフカ(下) (新潮社,2002)
2003/11/26 ジョン・ル・カレ パナマの仕立屋 (集英社,1999)
2003/11/27 村上春樹 「そうだ、村上さんに聞いてみよう」 (朝日新聞社,2000)
2003/12/03 村上春樹 夜のくもざる
2003/12/12 村上春樹 国境の南、太陽の西 (講談社,1992)
2003/12/14 ドナルド・バーセルミ  (白水社,1995)
2003/12/24 下村努,ジョン・マーコフ テイクダウン [上][下] (徳間書店,1996)
2003/12/29 ジャスパー・フォード 文学刑事サーズデイ・ネクスト 1 -- ジェイン・エアを探せ! (ソニー・マガジンズ,2003)


この頃はよく読んでるなぁ。

 

フェデリコ・アンダーシの 『解剖学者』 は、アルゼンチンの文学賞応募作品で、第1回目の受賞作に選ばれたものの、賞のスポンサーが 「こんな不潔な内容の小説を受賞作にはしたくない」 というのか、クレームをつけてきたという問題作 (?)。この小説の最終場面が、ブコウスキー 『パルプ』 の最後の場面と重なってイメージされたという記憶がある。

 

三好徹の 『小説ラストボロフ事件』 は、実際の事件を題材にしている。小説として楽しめるものの、ああいうことが、戦後の日本で実際に起こっていたというのは歴史的な事実なのだ。

 

アレクサンドラ・マリーニナの3作はシリーズものだから、もっとあるのかもしれない。翻訳が出てるかどうか分からないが、市の図書館にあったのは、その3冊だけだった。想定外に面白かったという記憶がある。

 

シュリンクの小説が2冊入ってる。どちらも読んでみるだけの価値はあったと思うのだが、それ以外にも読んだかどうか、思い出せない。

 

村上春樹は、今は意図的に読まないようにしている。なぜだか分からないが、読まない方がいいな、と思っているのだ。

 

西田秀秋の本は、タイトルそのものがヤバイかもしれないが、著者はたしか学校の校長先生を務めた人とかじゃなかったろうか。

 

向井万起男さんの本は、とにかく面白い。向井千秋さんの夫である。