前回 「訳文が気になる」 で言及したトマス・エンゲル 『瘢痕』(ハヤカワ・ミステリ文庫、2014)であるが、やっと読み終えた。
574ページまであるから、文庫本とはいえ、かなりな長編を読んだようなもの。
毎晩、寝床の中で読み続けた。
何だか、横になったまま重労働をしたみたいな感じ。
力作というか、もう 力技 みたいなものだな。こんな作品を書く人って、体力的にもやわでは無理かもしれないという気がする。
作者の作品としては、これが世に出た初めてのものだそうだが、なるほどと思う。
名前が知れた人が仕事として書いていくのと、「これでどうだ!」 と徹底的に手をいれまくって書くのとでは、違うかもしれない。
同じ北欧ノルウェーのネスボもすごいと思ったけど、こちらもまた力作だ。
毎晩、ひたすら読み続けた、という実感がある。