久しぶりに途中まで読んで放り投げてしまっていた Freya North の Sally を、以前読み進んでいた辺りから読み始めた。
"読む" とはいっても、私の英語力では、おおよその内容をつかもうとする程度のものでしかない。
水疱瘡のために勤める小学校は休職して、いくらか良くなったところで、何という島の叔母のろころに療養を兼ねて出かける。
そこでの生活を満喫するサリー。
叔母がサリーにいい人がいるのかと尋ねる場面がある。
叔母が、知り合ったのはいつだと聞くから、秋からだと答えるサリー。
叔母が 「Going steady, then?」 と問う。
どう訳したらいいのか分からないが、固定的な恋愛対象であり、そのまま行けば結婚するかもしれない相手なのか、みたいなことかもしれない。
サリーはそれに対して 「そういう関係だというのは合っていないと思う」 と答えて、何とか説明しようとするが、うまくいかない。
叔母は 「まさか "オープン" な関係なんていうんじゃないでしょうね?」 というのだが、この open relationship とは、互いに相手を束縛しない、つまり相手がさらに愛人などを持っても許容するし、自分も自由に恋愛などをする、そういうふうな関係のことらしい (Wikipedia [オープン・リレーションシップ])。
サリーはこれも否定して、「初めは好きなように付き合おうと思ってた」 のだと言い、ジャッキー・コリンズの小説に描かれてるみたいに」 と言うのだが、叔母はジャッキー・コリンズの小説を読んだことがないので、何を言いたいのか分からない。
Jackie Collins (1937-2015) はロンドン生まれの女優兼作家で、ロサンゼルスを本拠にして32冊の小説を書き、そのどれもがベストセラーになったという (Wikipedia [Jackie Collins])。
どれもベストセラーになったということは、読者が喜びそうな内容をふんだんに盛り込んだ内容だったからだろう。彼女の第1作目の小説は、オーストラリアや南アフリカでは発禁になった。
サリーの叔母ではないが、私もそんな作家など、名前すら知らなかった。
そこでサリーが次にエリカ・ジョングの名前を持ち出す。
ああ、Erica Jong なら私も目を通す程度に読んだことはある。
それも首を振られたサリーは、今度はザヴィエラ・ホランダーの名を持ち出す。
Xaviera Hollander (1943-) はオランダ領東インド (彼女が生まれた当時は日本の占領下にあった) に生まれたオランダ人 (それでペンネームを Hollander にしたのだろう) で、両親はユダヤ人とフランス人とドイツ人の血が混じる。
やがてアムステルダムから南アフリカへ、それからニューヨークのオランダ公使館の秘書となるも、それを辞めてなったのが高級コールガール (今日のレートに直すと一晩80万円くらいになるらしいから、高級コールガールというより高給コールガールだな)。
当然、それも叔母にはなじみがなかったわけで、「そんな小説の話なんかしたいわかじゃないのよ、あなたの生活のことを話してるのよ」 とたしなめられる。
小説の一場面を紹介しても仕方ないのだが、作家の名前が持ち出されていたので、「読書」 に関することを書く建前だったこのブログにもメモしておこうかと思った次第である。