建物が主役の人間ドラマ

最近のわが読書。

 

カレル・チャペック白い病』 (阿部賢一・訳、岩波文庫、2020) に続いて、かなり時間を取った気がするが植松三十里 『帝国ホテル建築物語』 (PHP研究所、2019) を読了。現在は永井荷風浮沈・踊子 他三篇』 (岩波文庫、2019) を読みつつあるところ。

 

植松三十里なんて人は、名前も知らなければ、読んだのも初めて。

それに、建物の話なんぞ読んでもさして面白くもあるまいけれどと、大した期待もしないで借りてみただけの本だった。

 

それが、存外に面白かった。

まるで大河ドラマを見ているよう。

たしかに、この作品がドラマになってもおかしくない。

ただ、セットが大変だから、製作費が嵩む嫌いはあるかもしれないが。

 

ちらと思ったのが、プロローグやエピローグは、必要だったろうか、ということ。

とにかく中身がすごいのだから、それで押していってもよかったのではあるまいか、なんて思ってしまった。