マザーとチャイルド

意図したものではなかろうけれど、The mother's book という書物を書いたのが Lydia Marie Child という人であるのは面白い。内容は知らないが、子ども (child) という人の書いた 母親 (mother) についての本、というか、子を持った女性のための本、といった…

北欧ミステリ

トマス・エンゲル『瘢痕』を読み終えて図書館に返却したが、また北欧ミステリを借りてきてしまった。 今度はカリン・フォッスム『湖のほとりで』(PHP文芸文庫、2011)だ。これもノルウェーの作家の作品。 北欧ミステリはスエーデンやデンマークのものも翻訳…

読了

前回 「訳文が気になる」 で言及したトマス・エンゲル 『瘢痕』(ハヤカワ・ミステリ文庫、2014)であるが、やっと読み終えた。 574ページまであるから、文庫本とはいえ、かなりな長編を読んだようなもの。 毎晩、寝床の中で読み続けた。 何だか、横になった…

訳文が気になる

大本泉さんの本を通読したので、トマス・エンゲル 『瘢痕』(ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み始める。 初めの方は、どうもすんなり読めない。北欧ミステリの作品では、こんな感じの出だしのものもあったような気はするが。 まだ、ほとんど読み進んでいないの…

図書館へ

前回、久しぶりに市の図書館に足を向けてからもう2週間。 天気もよし、運動がてら、ぶらぶらと歩いて行ってみた。 前に借りた本を返し、館内をぶらぶら。 前回、大木泉『作家のごちそう帖』(平凡社新書、2014)を借りてきて通読したのであったが、同じ場所…

芥川の好物

大本泉『作家のごちそう帖』(平凡社新書、2014)に、芥川龍之介の好物の話があった。こんな一節がある: 芥川は、あまり食事にこだわりがなかったようだ。ただし、 主人は鰤の照焼が大好物で、それさえあれば他には何にもいらないというほどでした。 と、こ…

読了メモ (22/10/25)

前回の 「読了メモ」 が5月くらいだったか。 あれ以降に読んだ本はあるが、いちいちメモしなかった。 今頃になって ・・・ だが、わりと最近に読んだものをメモしてみる。 えっと ・・・ 7月の終わりにレチフ・ド・ラ・ブルトンヌの『パリの夜』を読んだ後…

うまいもの食ってるなぁ

山口瞳『行きつけの店』(新潮文庫, 2009 [2000])の中に、こんな一節があったので、書き写してみる。 皆美館は、古来、ラフカディオ・ヘルン、島崎藤村に愛され親しまれた旅館である。田山花袋、与謝野鉄幹・晶子夫妻、志賀直哉もよく泊っていったそうだ。 …

久しぶりに図書館へ

朝と夜は別にすれば、日中は陽ざしがあって、暖かいといってもよい天気だった。 いつが最後だったか思い出せないが、久しぶりに市の図書館に行ってみた。 長居をするつもりはなく ・・・ というか、コロナ以前は夜の9時くらいまで開いてたような気がするが…

「ひと呼吸つく」

昨日、市内の小さな Book・Off に出かけて、文庫本を2冊買ってきた。 本を買うのは久しぶり。金額は¥110 x 2 である。漱石の鏡子夫人の回想記である 『漱石の思い出』 にも手が伸びたが、¥110 ではなくて数百円だったので、またの機会にでも、と断念。 買…

長い名前

"ハンガリー出身のイギリスで活躍した小説家" の バロネス・オリツィ (1865-1947) の本名は エマースカ・マグダレナ・ロザリア・マリア・ホセファ・バルバラ・オルツィ・バーストウ だそう。アルファベット表記だと Emmuska Magdalena Rosalia Maria Josefa …

犬の欠伸

欠伸と書いてアクビと読む。なるほど、背伸びしたくなるかも。 岡田斗司夫が自由学園という学校で講演した時の様子を動画にしたものを見てたら、背伸びをする場面があった。 そこで岡田は犬のアクビのことに言及している (12分くらのところ)。 犬のアクビ…

過去の読了書記録から (7) - 2006年1月~6月

この 「過去の読了書記録から」 というのを、最近は出してなかったな。久しぶりに出してみよう。 2006/01/04 M・ハーシュ・ゴールドバーグ 世界ウソ読本2006/01/13 Tracy Chevalier Girl with a Pearl Earring2006/01/16 松岡美樹 ニッポンの挑戦 インターネ…

オープンな関係?

久しぶりに途中まで読んで放り投げてしまっていた Freya North の Sally を、以前読み進んでいた辺りから読み始めた。 "読む" とはいっても、私の英語力では、おおよその内容をつかもうとする程度のものでしかない。 水疱瘡のために勤める小学校は休職して、…

「雑誌」

「雑誌」 という日本語は、おそらく小学生でも知っているだろう。 しかし、「雑誌」 という語が、日本に太古からあった ・・・ わけではない。 かなり新しい語である。 この語の初出は、慶応3年まで遡れるらしい。 命名者も分かっている -- 柳河春三(やな…

ぶつぶつ

前回は 「暑い」 という、色気のないタイトルにしたのだが、最近は夜は結構涼しくなった。 昼間は相変わらず暑いわけだが、夏を楽しまないうちに秋の気配を感じるようで、こころなし寂しくもある。 そんなことはどうでもいいのだが、今日の朝刊に出てた広告…

暑い

とにかく、読めない。だから、「読書ブログ」 を書いてみようと思って立ち上げたこのブログが、停滞したままである。 その言い訳が 「暑い」 なのだ。 基本的に、「読書」 は夜、床の中でしてる。 しかし、毎夜の蒸し暑さ。眠れぬ日々が続けば、頭もボーッと…

729冊

729冊というのは、2021年に、全米の図書館で禁書にされた本の総数 (1日2冊くらいの割合だな)。 この数値は2020年度の倍であり、米国図書館協会 (ALA) が記録を取り始めてから最多であるという。 1,597 冊が問題視されて、そのうちの729冊が禁書とされた…

縦書きタイトル

ちょっと珍しいなと思った。アルファベットの書名なのに、縦書きなのである。 これは、米国の女性作家でジャーナリストの Nora Waln (1895-1964) という人の著書の1冊。 www.gutenberg.org 著者は、1920年に中国に行き、12年間滞在して、そこで出会った英国…

不明解な日本語のわたし

高橋秀実 『不明解日本語辞典』 (新潮文庫、2018) を読んだ。読了記録を見ると、これで3度目である。 またいつか再読するだろうことは確実な本だ。それほどすごい本なのである。 「どこが?」 と尋ねられると返答に困るのだが、そこいらの日本語関連の書籍…

作中人物の妊娠に仰天す

立て続けに2冊読了。 1冊は、荒俣宏 『日本仰天起源』 (集英社文庫、1994 【荒俣宏コレクション】) もう1冊は Iris Murdoch: The Italian Girl (Penguin, 1980 [1964]) 荒俣宏の著作を読んだのは、これが初めてだったかもしれない。その博学多識に舌…

燃えない本

ニュース記事で読んだ時に、レイ・ブラッドベリ (Ray Bradbury) の 『華氏451度 (Fahrenheit 451)』 を連想した。 カナダの女性作家マーガレット・アトウッド (Margaret Atwood) が、自著 『侍女の物語 (The Handmaid's Tale)』 に向けて、火炎放射器で炎を…

世界の果てまで

つい 「私を野球に連れてって」 という曲 (Wikipedia を見ると、日本でもおなじみの曲らしい) を連想する。 「野球」 ならまだしも、「世界の果て」 となると、こりゃあ容易なことではあるまい。 今日、ぶらりと立ち寄った書店で、ちくま文庫の並んでいる…

玉と錬金術

荒俣宏 『日本仰天起源』(集英社文庫【荒俣宏コレクション】 1994) を読み始めているのだが、これが、面白い。 「釣りと玉川」 という文章がある。 私は釣りを趣味としていない人間だが、それでも読むと面白い。 水中が 「異界」 であるという話から外道の…

読了メモ

幸田露伴 『渋沢栄一伝』 (岩波文庫、2020) をやっと読了。 続いて畠中恵 『えどさがし』 (新潮文庫、2014/2015) に移る。 畠中さんの本は久しぶり。 だけど、『渋沢栄一伝』 にかなり時間を割いたので、畠中さんの本は、最後まで読み切れずに図書館に返却せ…

『赤毛のアン』 の島

読んだことがあるかどうかの記憶がない。 だけど、何しろ有名な小説だ。 作者はカナダの L・M・モンゴメリー (L. M. Montgomery, 1874-1942) という女性作家。 ここでクイズです。 『赤手のアン』 の舞台でもある、モンゴメリーが生まれたカナダの島の名前を…

最近の読了

数日前、何がどうなったのか分からないが、やけに突出したアクセス数が記録されてる日があった。 だからといって、(発奮して) まともなことを書いてアップできるかというと、そうもいかない。 I'm what I am. である。 もっと頻繁に何か書いてアップしたい…

過去の読了書記録から (6) - 2005年7月~12月

またまた久しぶりにこのリストを出してみる。まだ2005年かぁ、と思ってしまう。このリストを眺めてみて、読んだという記憶があるのとないのとある。私は、読んでしまえば内容は忘れてしまうみたいだ。それなら、何のために読書などしているのだということに…

最近読み終えた本

・大塚ひかり 『うん古典 -- うんこで読み解く日本の歴史』 (新潮社、2021) ・近藤伸二 『彭明敏 -- 蒋介石と闘った台湾人』 (白水社、2021) 後者はよく書けている。さすがに、もと新聞社の人間だけのことはある。 関係者へのインタビューを重ねているし…

もののほん

橋口候之介 『江戸の本屋と本づくり 【続】和本入門』 (平凡社ライブラリー、2011) を読んでたら、 十七世紀まで硬派の書物を「物之本」といって、「書物屋」とか「物之本屋」と呼ばれた店が取り扱った。 という文に出会った。 それを読んだ時に、柳瀬尚紀…