2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

棄捐令と札差と損料屋と

最近読んだ本 山本一力 『赤絵の桜』 時代小説である。 図書館に行くと山本一力の本がズラリと並んでいる。それだけ人気があるということか。 棄捐令というのは、むか~し日本史の授業に出てきたような気がする。 借金を帳消しにするというのだから、無茶苦…

ダレル兄妹

英国の文学史の上で、後世に名を遺した3姉妹といえば、ブロンテ姉妹だろう。 すなわちシャーロット、エミリー、アンの3姉妹。 だけど、姉弟は3人だけではなく、6人いたそうだ。 そんなことを思い出したのは、宮脇孝雄の 『洋書ラビリンスへようこそ』 (…

スプーン曲げと翻訳家

市の図書館がまた開館するようになったので、数日前に出かけてみた。 時間の都合で、ゆっくりと出来なかったので、何でもいいから適当に方式で借りてきた。 宮脇孝雄 『洋書ラビリンスへようこそ』 (アルク、2020) は、欧米の原書をいくつか紹介した本だ。…

隠れた像

ふと思いついたのだが、漱石の 『夢十夜』 に 「運慶」 というのがあったように記憶する。 木から仏像を彫り出すのだが、それは彫っているのではなくて、その仏像がその木の中に隠れていて、それを取り出すのだ、ということではなかったろうか。 そのことを…