北欧ミステリ

トマス・エンゲル『瘢痕』を読み終えて図書館に返却したが、また北欧ミステリを借りてきてしまった。

 

今度はカリン・フォッスム『湖のほとりで』(PHP文芸文庫、2011)だ。これもノルウェーの作家の作品。

 

北欧ミステリはスエーデンやデンマークのものも翻訳されているが、今はノルウェーのものに絞ってるみたいな感じになってる。

 

そのうちにノルウェー以外の国のものにも手を出すかもしれないが、何しろ読む速度が遅いので、あれもこれもというわけにいかない。

 

 

沢木幸太郎『檀』の初めの方を読み始めていたが、こちらは先延ばしにしなくてはならないかもしれない。とりあえずは図書館から借りてきた方を先に読み終えてしまわなくてはならないからな。

 

 

 

 

 

 

 

読了

前回 「訳文が気になる」 で言及したトマス・エンゲル 『瘢痕』(ハヤカワ・ミステリ文庫、2014)であるが、やっと読み終えた。

 

574ページまであるから、文庫本とはいえ、かなりな長編を読んだようなもの。

 

毎晩、寝床の中で読み続けた。

 

何だか、横になったまま重労働をしたみたいな感じ。

 

力作というか、もう 力技 みたいなものだな。こんな作品を書く人って、体力的にもやわでは無理かもしれないという気がする。

 

作者の作品としては、これが世に出た初めてのものだそうだが、なるほどと思う。

 

名前が知れた人が仕事として書いていくのと、「これでどうだ!」 と徹底的に手をいれまくって書くのとでは、違うかもしれない。

 

同じ北欧ノルウェーのネスボもすごいと思ったけど、こちらもまた力作だ。

 

毎晩、ひたすら読み続けた、という実感がある。

 

 

 

 

訳文が気になる

大本泉さんの本を通読したので、トマス・エンゲル 『瘢痕』(ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み始める。

 

初めの方は、どうもすんなり読めない。北欧ミステリの作品では、こんな感じの出だしのものもあったような気はするが。

 

まだ、ほとんど読み進んでいないので、感想までもいかない。

 

p28 に

 

 ヘニングはコーヒーを愛している。

 

とあった。

 

コーヒーという名の女性のことならともかく、コーヒーという飲物について 「愛している」 とするのは如何なものだろう。

 

英語の love という動詞には、「好む」 とか 「好ましく思っている」 という意味があるけれど、それをそのまま 「愛している」 と日本語に持ち込むのは、どんなものか。

 

「ヘニングはコーヒーの愛飲家だ」 とか 「ヘニングはコーヒーを愛飲している」 くらいならともかく、「愛している」 なんて、日本語として、違和感を覚える。

 

 

図書館へ

前回、久しぶりに市の図書館に足を向けてからもう2週間。

 

天気もよし、運動がてら、ぶらぶらと歩いて行ってみた。

 

前に借りた本を返し、館内をぶらぶら。

 

 

前回、大木泉『作家のごちそう帖』(平凡社新書、2014)を借りてきて通読したのであったが、同じ場所で今度は『名作の食卓』(角川学芸ブックス、2005)という本に目がいった。

 

ありゃ、また同じ著者、大木泉の著書じゃないか。

 

こうなりゃ、これも読んじまうか、ということで借りてきた。

 

 

それから、海外文学のコーナーを歩いてて、"文学" というのが適当かどうか疑問だが、トマス・エンゲル『瘢痕』(早川書房、2014)という文庫本に目がいった。

 

著者名からすると、ゲルマン系っぽい。

 

手に取ってみると 「著者紹介」 に "1973年オスロ生まれ" とあるのを見て、「これも借りて帰ろう」 と思ってしまった。

 

北欧ミステリを何冊か読んだことがあるので、北欧関係なら出来るだけ読んでみたいという気はある。

 

ただ、かなり分厚い文庫本なので、読み通せるかどうかが問題。

 

 

日本の時代小説など、借りて帰りたかったものもあったが、今の私の読書速度では、限られた日数で読み通せない可能性が大なので、とりあえず2冊だけにして、この2冊だけは消化した上で、次回に借りる時に考えようと思った。

 

ところが、予定外ではあるが、無料で図書の持ち帰りの出来るコーナーが、入り口の外、エレベーターに近い場所にあって、「おひとり様20冊まで」 とあるではないか。

 

タダで持ち帰って読んで下さいとは、何たるサービス! なぜ蔵書として置いておかないのかは分からないが、それらの本は処分したいらしい。

 

いい本は既に持ち帰られた可能性はあるが、それでも、何となく手に取って、3冊の文庫本を頂戴することにした。

 

 T・ジェファーソン・パーカー『渇き』(講談社文庫、1998)

 ジェイソン・コーゾル『ドル大暴落の日』(講談社文庫、1992)

 レイモンド・チャンドラーさらば愛しき女よ』(ハヤカワ・ミステリ文庫、1995)

 

いずれも1990年代に出た本ということになる。そういうのは、もう "古い" ということなのだろうか。

 

暇つぶしに読むのなら、そういうのもいい。他にも手にしてみた本はあったのだが、借りた本と合わせるともう5冊抱えているし、駅まで歩いていくことを考えると、それ以上に欲張るのは遠慮した。

 

 

もう家には、なるべく蔵書を置きたくないのだ。Hard-Off の本だとて、出来れば安易に蔵書にしたくはない。金の問題というより、本が増えすぎてしまうのが心配なのである。

 

まして、暇つぶしで読む程度の本なら、出来れば図書館で借りてすませたい。

 

ああ、それなのに ・・・

 

 

もちろん、これから読むのは図書館から借りてきたものから。

 

"お持ち帰り" 本は、「いつか読もう」 ということで "積読" 本になる可能性もあり。

 

芥川の好物

大本泉『作家のごちそう帖』(平凡社新書、2014)に、芥川龍之介の好物の話があった。こんな一節がある:

 

芥川は、あまり食事にこだわりがなかったようだ。ただし、

 

 主人は鰤の照焼が大好物で、それさえあれば他には何にもいらないというほどでした。

 

と、これは芥川の夫人の文さんの回想である。

 

そして、苦手だったのは "ねばねばした「とろろ」" だったという。

 

食物ではないが、芥川はヘビースモーカーであったようだ。

 

 芥川が亡くなる直前のことだが、佐藤春夫があった一晩のうちに、芥川は敷島という煙草を180本近く吸ったという。

 

とある。

 

芥川の「蜜柑」という作品は有名だが、

 

 芥川は酸味のある蜜柑が嫌いだった。

 

というのだから面白い。

 

概して果物は好きだったようで、"柿、乾葡萄、龍眼肉、バナナ" などと、"殊に無花果" を好んだという。

 

「龍眼肉」とはどんなものか知らないが、Wikipedia [リュウガン] を見ると

 

 ムクロジムクロジ属の常緑小高木またはその果実。

 

とあった。

 

食物の嗜好は甘党の方であったらしく、和菓子を好んだという。

 

 

* 他の作家の食に対する話題ももちろん出てくるのだが、本の返却期限が来ているので、あれこれメモするゆとりがない。今回はとりあえず芥川の例だけにとどめておく。

 

 

 

読了メモ (22/10/25)

前回の 「読了メモ」 が5月くらいだったか。

 

あれ以降に読んだ本はあるが、いちいちメモしなかった。

 

今頃になって ・・・ だが、わりと最近に読んだものをメモしてみる。

 

えっと ・・・ 7月の終わりにレチフ・ド・ラ・ブルトンヌの『パリの夜』を読んだ後の記録。

 

その後、何を読んでたのかの記録がないが、9月に、Margaret Atwood の The Testaments は、結局、読み通した。

感想は、今はまだ (今となっては?) 述べる気がしない。

 

同じ月に、読みかけたまま放り出していた Freya North の Sally も読み終えたのだが、これも、今となって、特に書く気はしない。

 

そして10月に入って、これは HardOff で¥110 で購入した本であるが、小鷹信光翻訳という仕事』(ちくま文庫、2001) を読んだ。

これは、買って良かった本といえる。

 

読んでる時にはいろいろと刺激を受けたが、今はあれこれと書かないでおこう。

 

 

その後が、最近になってやっと行った市の図書館から借りた本で、大本泉の『作家のごりそう帖』(平凡社新書、2014) で、なかなか興味深いものがあった。

 

そして、山口瞳の『行きつけの店』(新潮文庫、2009 [2000]) を読んだのだが、重松清の 「解説」 に感心。

なるほど、作家となると、こんなふうな読み方をするのか、と思った。

 

 

今のところは、そんな具合。沢木耕一郎『檀』をそろそろ読みたいところだが、図書館から借りてきた本の中の1冊である杉浦日向子さんの本(『江戸を愛して愛されて』 河出書房新書、2016)を読まねばならぬ。

 

とはいえ、明日が返却日なので、読み通せないまま、このまま返してしまうかもしれない。また改めて借りることもできるわけだから、とりあえず返却して、いつか、また改めて借りて読むということになるかもしれない。

 

うまいもの食ってるなぁ

山口瞳『行きつけの店』(新潮文庫, 2009 [2000])の中に、こんな一節があったので、書き写してみる。

 

 皆美館は、古来、ラフカディオ・ヘルン、島崎藤村に愛され親しまれた旅館である。田山花袋与謝野鉄幹・晶子夫妻、志賀直哉もよく泊っていったそうだ。

 

皆美館は みなみかん と読むらしい。島根県は松江の宍道湖に面した宿屋である。

 

山口瞳は、そこの食堂の料理の中でも

 

 とりわけ皆美館だけに伝わるという鯛めしが好きだ。

 

と書いている。

 

 

読書関連ブログとして書いているので、作家の名前がいくつか出てきたのをメモしてみた。

 

 

 

 

 

* ちなみに、よそのブログで恐縮だが、この本を読んでて、こんなものも書いた。→ 「咫尺」